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携帯電話の快適な利用を目指した電池パック・充電器の開発〜5.移動端末用充電オプションと新技術

移動端末の充電環境をより快適にする技術として、移動中でも充電可能な機器の開発を行った。移動端末用充電器の一例を写真1に示す。リチウムイオン充電器(写真1(a))はリチウムイオン電池を内蔵して、必要に応じて移動端末を充電する。また、USB充電器(写真1(b))は、ノートPCなどに接続しデータ通信をしながら充電を行う。

写真1 ドコモ市販品(開発品)の外部充電器

しかし、外部充電器での充電が必要であったりノートPCなどが必要であったり、携帯型充電ツールとしては不便なため、どこでも快適に充電できる機器や充電インフラが望まれている。

そこで将来の充電インフラの技術の1つとして、無線による電力伝送(ワイヤレス充電注意1)技術、次世代リチウムイオン電池およびマイクロ燃料電池注意2の検討を行っている。

ワイヤレス充電技術は、従来ACアダプタ内部にあるトランスの置き台側と移動端末側を空間分離し、薄型コイルを置き台と移動端末それぞれに内蔵し、近接させることにより電力を送る技術である(図13)。従来、本技術は数百ミリワットクラスで実施済みであるが、移動端末に必要な数ワットクラスの技術と薄型コイルの技術を確立している[5]。

図13 ワイヤレス充電器の概要

  • 注意1 ワイヤレス充電:電気的な接点を介さずに電力を送る技術。電磁気的な方式、光による送電、音波による送電などがある。
  • 注意2 マイクロ燃料電池:水素(水素を含む燃料など)と酸素を、有機膜を通して反応させることにより発電する電池。特に、モバイル機器向けの小型燃料電池をマイクロ燃料電池と呼ぶ。

本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.16 No.2に、掲載されています。