2.4 その他特徴的な機能

テレマティクスモジュールにおいては、車載環境における温度条件・振動条件の制約から、FOMAカードを利用せず、加入者情報の格納などのUIM（User Identity Module）1機能をテレマティクスモジュール内部に備えている。

テレマティクスモジュールでは、車両制御用SMS受信機能に対応している。車両制御用のヘッダが付与されたSMSを受信すると、車載アプリケーションに通知し、必要に応じて車両制御回路へのアクセスやパケット接続を確立して関連情報の送出などを行う。

テレマティクスモジュールは、省電力モードを実装しており、例えば車のエンジンを切った状態で車両監視のためにテレマティクスモジュールを常時待受け状態にしておくといったような用途においても、低い消費電力で継続動作が可能になっている。

テレマティクスモジュールは、GPS（Global Positioning System）機能を搭載しており、単独測位方式に加えて、FOMAネットワークよりアシストデータの配信を受けて測位演算を行う、A-GPS（Assisted-GPS）測位方式[2]にも対応している。3GPPに規定されているMO-LR（Mobile Originated-Location Request）2手順[3]により、車載アプリケーションを搭載することで、自己位置を取得することができる。本機能により、盗難通報や事故発生時の位置情報通知といったサービスへの応用が考えられる。

• 1 UIM：電話番号などの契約者情報を記録したICカード。移動端末に差し込み、ユーザの識別に用いる。
• 2 MO-LR：移動端末ユーザが現在地情報を取得したり、ネットワークを経由して現在地情報をサーバに通知する機能。

2.5 サービス応用例へ

本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.16 No.2に、掲載されています。