地域からのお知らせ(北海道)

ドローンを用いた牧草生産の生産性向上に向けた実証実験を開始
~AI(画像認識)を活用した雑草検出による部分的な草地更新が可能に~

2021年8月11日
北海道せたな町
株式会社NTTドコモ北海道支社

北海道せたな町(町長 高橋 貞光、以下、せたな町)と、株式会社NTTドコモ北海道支社(執行役員支社長 本 昌子、以下、ドコモ)は、ドローンとAIによる画像認識技術を活用し、効率的な牧草生産を可能とする新技術の実証実験(以下、本実証実験)を、2021年8月11日(水曜)より開始します。本実証実験では、広大な牧草地全体をドローンで自動撮影し、収集した大量の画像データをAIによる画像認識技術を用いて、雑草の繁茂状況や位置を特定し、自動飛行するドローンから雑草へピンポイントに農薬散布が可能か実証します。本実証実験により、今までの人手による作業を大幅に省力化し、効率的な草地更新※1が可能になることで、一次産業分野における深刻な人手不足や就業者の労働負荷などの課題解決につながることが期待されます。
なお、本実証実験は北海道庁の「ICT活用牧草生産実証事業」として選定され、取り組むものです。

1.現場実証実験期間
2021年8月11日(水曜)~2022年2月28日(月曜)

2.実証実験実施場所
せたな町営牧場(住所:北海道久遠郡せたな町北檜山区小川111)

3.実証実験内容
(1) ドローンの撮影画像を用いた牧草地の雑草検出および群生エリアの特定
(2) ドローンを用いた特定エリアに対する自動農薬散布による除草実験

本実証実験に関する取り組み内容については、別紙を参照ください。

今後も両者は、本実証実験を通じて一次産業における各地域の課題解決をめざしていくと共に、「SDGs(持続可能な開発目標)」の「誰一人取り残さない」の基本理念に基づき、今後も様々な社会課題の解決に取り組んでまいります。

  1. 草地の経年に伴い、雑草などによる植生の状態悪化が原因で、期待する生産量が得られなくなった際に行う作業のこと。
    牧草地全体で実施する「全面更新」と一部だけで実施する「部分更新」があります。
    (参考:一般社団法人日本草地畜産種子協会ホームページ URL:http://souchi.lin.gr.jp/)

<別紙>本実証実験概要

本実証実験では、ドローンの自動飛行による牧草地全体での雑草検出および群生エリアの特定、除草を目的としたピンポイントな農薬自動散布により牧草の収量・栄養価の低下を防ぐ部分的草地更新を実施します。
具体的には、ドコモが開発したドローンの自動飛行機能、クラウド上でAIによる画像認識を行う「ドコモ画像認識プラットフォーム※2」、これに対応するドローンを活用した実証実験を行い、従来、人手によりトラクターやスプレーヤーを用いて行っていた雑草の確認作業時間の短縮や農薬の散布量の適正化を実現できるか検証を行います。

1.取り組み内容

本実証実験では2つのテーマについて取り組みます。

(1) ドローンの撮影画像を用いた牧草地の雑草検出および群生エリアの特定
(以下、テーマ①)
牧草地における雑草の繁茂状況の確認や位置の特定は、広大な牧草地を巡回して人の目によって行っておりましたが、人手不足が深刻化する中で十分な時間が取れないという課題があります。
本実証実験ではドローンを自動飛行させ、撮影から雑草株の検出までを自動で行い、AIによる画像認識技術を用いて、雑草の群生エリア特定が可能か実証します。本実証実験により、これまで人が巡回し目視で確認していた雑草の群生エリアの特定について、群生エリアの特定までを自動で行うことを可能とし、作業時間の短縮が期待されます。

(2)  ドローンを用いた特定エリアに対する自動農薬散布による除草実験
(以下、テーマ②)
部分的草地更新を目的とした農薬散布は、従来、手作業もしくはトラクターやスプレーヤーによる方法がとられておりましたが、広大な牧草地においては深刻な人手不足により対応が困難であり、さらに丘陵地帯ではトラクターの運用も難しいという課題があります。
本実証実験では、テーマ①でAIの画像認識技術により特定された雑草の群生エリアへ、ドローンを自動飛行させ、ピンポイントに農薬散布できるかを実証します。本実証実験により、農薬散布時間の低減や農薬費用の軽減が期待されること、さらに従来は対応が困難であった、トラクター運用が難しい状況での部分的な草地更新についても、実現できることをめざします。

実証実験 システム構成イメージ実証実験 システム構成イメージ

2.各者の役割

各者の役割
団体名 役割
株式会社NTTドコモ 北海道支社 ・実証プロジェクトの統括
・通信インフラ網の構築
・ドローンの機体・操作支援の提供
・画像認識技術の提供
北海道せたな町 ・実証フィールドの提供
・画像データ、農地データ等の提供

3.今後のスケジュール(予定)

今後のスケジュール(予定)
テーマ 2021年 2022年
8~9月 9~11月 1月
テーマ① ・農薬散布効果確認
・(2番草対象)牧場全体での雑草検出
・農薬散布効果確認
・牧場全体での雑草検出
・酪農関係者向け勉強会の実施
テーマ② ・雑草検出場所(一部)にドローン農薬自動散布 ・雑草検出場所(一部)にドローン農薬自動散布

  1. ドコモが提供する画像認識プラットフォームであり、業務効率化やサービス性向上など、さまざまな価値を提供するソリューションの核となる画像認識エンジンをAPIとして提供するクラウドサービスです。
*「docomo sky」は株式会社NTTドコモの登録商標です。

記載された情報は、発表日現在のものです。仕様、サービス内容、お問い合わせ先などの内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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