地域からのお知らせ(九州・沖縄)

「対話型AI自動運転車いすパートナーモビリティ」の実用化に向けて
5Gを活用した「リモート手助け」の協働検討に関する覚書を締結
~介助者なしで自由に移動できる先進モビリティサービス~

2020年11月5日
久留米工業大学
株式会社NTTドコモ九州支社

 久留米工業大学(学長:今泉 勝己/以下、久留米工業大学)、株式会社NTTドコモ九州支社(執行役員九州支社長:齋藤 武/以下、ドコモ)は、久留米工業大学が提供する「対話型AI自動運転車いすパートナーモビリティ」(以下、パートナーモビリティ※1)の自律走行において、5Gを活用した「リモート手助け」の協働検討に関する覚書を締結しました。「リモート手助け」とは5Gを活用した高精細な映像伝送や遠隔操縦を用いて遠隔地のスタッフが手助けすることにより、介助者なしでも自由に移動できる技術です。

 5Gとドコモオープンイノベーションクラウド®(以下、dOIC)を経由したクラウドダイレクトTM接続を利用することで高精細かつ低遅延※2な映像伝送により、遠隔操縦の安全性と信頼性が高まります。加えて、今回「エッジAI対応5Gデバイス」を開発し、本デバイスのAI処理機能を用いることで、パートナーモビリティの自動運転を補助します。例えば通路にある障害物の認識および障害物までの距離を測定する「障害物検知機能」で活用しています。その他機能として、遠隔地に映像を伝送する際、映り込む人の顔にぼかしを加えた状態で転送する「プライバシー保護機能」の具備を検討しております。

 久留米工業大学は国内メーカー各社と連携してパートナーモビリティの開発を進め、2017年から全国各地で実証試験を進めてきました。パートナーモビリティの自動運転機能は久留米工業大学が開発した福祉分野向けのモビリティシステムで実現していますが、走行する通路の状況によっては自動運転が難しい場面も発生します。例えば走行通路上の人混みや障害物で自己位置認識が難しい場所、デジタルマップが存在しない場所などでは、自動運転車いすがその場から動けなくなってしまうケースがあります。また、利用者の急な体調変化などの特別な支援が必要なケースもあります。本協働検討では自動運転が難しい場面や何らかの支援が必要とされる場面において、リモート手助けの実現を目的としています。

 本取り組みを通して久留米工業大学とドコモはパートナーモビリティの安全性と信頼性を高め、医療や介護の現場だけでなく、日常生活においても誰もがいきいきと活躍する社会の実現と、医療介護スタッフの負荷軽減を実現することで、労働人口減少に対する社会課題の解決をめざしていきます。

  1. パートナーモビリティとは音声対話で行き先を相談しながら自動運転で目的地まで案内する先進モビリティで移動が困難な方が介助者なしで移動を楽しむことをめざした車いすのことです。
  2. 無線区間や有線区間の各種条件により遅延時間は変動するため、ネットワークの伝送遅延が必ず一定以下になるといった保証をするものではありません。
  • 「ドコモオープンイノベーションクラウド」およびロゴは、株式会社NTTドコモの商標または登録商標です。
  • 「クラウドダイレクト」は、株式会社NTTドコモの商標です。

実証実験概要

1.実証実験内容

パートナーモビリティと連携した「リモート手助け」の有効性・実用化検証

(1)技術検証

実施時期:2020年度末まで
実施場所:ドコモ5Gオープンラボ®FUKUOKA(福岡市中央区渡辺通2丁目6番1号)

(2)フィールド検証

実施時期:2021年度予定
実施場所:キャナルシティ博多など5Gエリアの複数個所

2.各社の主な役割

久留米工業大学 パートナーモビリティ開発と本実証実験への提供
ドコモ 5G等の通信環境やdOICの提供
エッジAI対応5Gデバイスの開発、提供
映像認識AIの開発、提供
遠隔操縦システムの開発、提供

3.リモート手助け概要

図1.「リモート手助け」の機能図1.「リモート手助け」の機能
図1.「リモート手助け」の機能

図2.「リモート手助け」5つの特徴図2.「リモート手助け」5つの特徴
図2.「リモート手助け」5つの特徴

図3.「リモート手助け」5Gシステム構成図3.「リモート手助け」5Gシステム構成
図3.「リモート手助け」5Gシステム構成

パートナーモビリティの特徴

 利用者の健康状態や好みと、導入施設の最新情報を組み合わせて、行き先や活動内容を「相談」できるAI対話システムを搭載。導入施設は病院、介護施設をはじめ、ショッピングセンターや博物館、観光施設、空港など幅広く対応可能です。

パートナーモビリティの特徴パートナーモビリティの特徴
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