地域からのお知らせ(四国)

5Gを活用したクレーン運転士の労働安全確保実証試験に成功
~運転台の死角を補う高精細映像送信によるクレーンの玉掛作業時の労働環境改善へ~

2019年12月9日
株式会社NTTドコモ 四国支社

 株式会社NTTドコモ四国支社(以下ドコモ)は、2019年12月8日(日)に愛媛県、愛媛大学、浅川造船株式会社、住友重機械搬送システム株式会社の協力のもと造船所における「第5世代移動通信方式(以下、5G)を活用したクレーン運転士の労働安全確保実証試験(以下、本実証)」に成功しました。

 造船業における船体内部での玉掛作業は、運転台から見えず、専門的スキルを有する作業者であっても、大きな負担となっており、工員の安全確保が専門的スキルの伝承とあわせて課題となっております。

 本実証では、クレーン作業時に運転台から死角となる映像を撮影し、5Gによって高精細映像を運転台へリアルタイムに伝送を行うことに成功しました。この実験により工員が作業遅延なく映像を確認しながらクレーンを運転することに成功しました。

 造船業におけるクレーン運転台は、高所で強風時の揺れや持続的な振動がある過酷な作業場です。船底が運転台から見通せないことと、5G通信においても船体は伝送路の障害となる環境でもあります。遠隔運転台への高精細映像の伝送を低遅延にやりとりできるネットワークの実証に成功したことで、今後クレーン運転台を高所から地上へ降ろし、より安全な作業場へと改善することが実現可能であることを実証しました。

 なお、本試験はNTTドコモが実施主体となり、総務省から請負った令和元年度5G総合実証試験「屋外において複数基地局、複数端末の環境下で平均4-8Gbpsの超高速通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討」として実施しています。

 造船業における5G実証実験の成功は、全国初めてです。

 今後もドコモは5Gのさまざまな利用シーン創出や社会課題の解決につながるソリューションの実現をめざしてまいります。

実証試験の内容

  • 1.実証概要
    1. 実施日
       2019年12月8日(日曜)13時30分~14時30分
    2. 実施場所
       浅川造船株式会社 本社内
       〒799-2111 愛媛県今治市小浦町2丁目4番39号
    3. 概要
       運転台からの死角を撮影できる位置にカメラを配置し、クレーン運転台のディスプレイに5G通信で高精細映像を送信することで、クレーンの玉掛作業における運転台からの死角を解消することができる5G性能を評価、その効果を明らかにする。

  • 2.各社の役割
    企業名 役割
    ドコモ 5G通信環境の構築
    愛媛県 県下における5G普及および、利用促進
    愛媛大学 総務省主催「5G利活用アイデアコンテスト」への提案
    浅川造船株式会社 造船作業場の提供
    住友重機械搬送システム株式会社 造船向けクレーンメーカーとしての意見提起
  • 3.実証試験の模様

クレーン(外観)

クレーン運転台(外観)

クレーン運転台(内部)

クレーン運転台内で死角となる映像を確認

死角エリアでの作業

指揮所で映像を確認する見学者
このページのトップへ