地域からのお知らせ(四国)

洋上IoTサービス実現に向けた5G通信の有効性を確認

2021年1月18日
株式会社NTTドコモ 四国支社

 株式会社NTTドコモ四国支社(以下、ドコモ)は、国立大学法人 愛媛大学(以下、愛媛大学)が行う「洋上を現場とするIoT機器・サービス実現のための電波特性試験事業(以下、本事業)※1」において、高画質映像を洋上IoT機器から陸地の実験場へドコモの5G通信(以下、5G通信)で伝送を行い、洋上IoTサービス実現に向けた5G通信の有効性を確認しました。

 本事業は、洋上生簀に4台の高画質カメラを設置し、遊魚三次元位置測定装置による魚類計測、魚病診断に必要な海中における魚の撮影映像(高画質映像)を、陸地にある研究センターを想定した実験場へ5G(ドコモの5G又はローカル5G)を利用して伝送するものです。これにより、陸地にいながら生簀内の監視、給餌、魚病への早期対応が可能となるなど、養殖業の生産性向上が期待できます。

 養殖業においては、給餌管理の適切化によるコスト削減や、魚病の早期発見による損失低減などの課題があります。これまでのLTE通信では、生簀内の管理、監視を行うために必要な高画質映像を洋上IoT機器から伝送することは困難でした。今回の実験では、5G 通信の特長である「高速・大容量」を活用することで、生簀内の高画質映像を洋上から陸地へ伝送することを可能としました。陸地にいながら生簀内を高画質映像で監視できることにより、給餌、魚病への早期対応に必要な定量的計測等が行え、養殖業における課題解決実現へ有効性が確認できました。また、5G時代に求められる「低遅延※2」で「高いセキュリティ」も担保するため、ドコモの協創プラットフォーム「ドコモオープンイノベーションクラウド®」を活用しています。

 なお、本事業は愛媛大学が実施主体となり、愛媛県、ドコモ、電気興業株式会社(以下、電気興業)の4者によるコンソーシアムにて実施しています。

 今後もドコモは5G 時代の新たな価値創出や社会課題解決につながるソリューションを実現してまいります。

  1. 本事業は、総務省が実施している「令和2年度予算 IoTの安心・安全かつ適正な利用環境の構築(IoT利用環境の適正な運用及び整備等に資するガイドライン等策定)」に係る委託事業として採択されたものです。
  2. 各種条件により遅延時間は変動するため、ネットワークの伝送遅延が必ず一定以下になるといった保証をするものではありません。

*「ドコモオープンイノベーションクラウド」は、株式会社 NTTドコモの登録商標です。

実証試験の内容

  • 1.実証概要
    1. 実施日
       2021年1月13日(水)~15日(金)13時00分~15時00分
    2. 実施場所
       愛媛大学南予水産研究センター 中浦実験場
       〒798-4125 南宇和郡愛南町中浦
    3. 概要
       洋上生簀へ4台の高画質カメラと遊魚三次元位置測定装置を設置し、陸地にある研究センターを想定した実験場にドコモ5G通信で高画質映像を伝送することで、陸地にいながら、海中の生簀内の魚の管理・監視が可能か5G性能を評価し、その効果を明らかにする。

  • 2.各社の役割
    企業名等 役割
    ドコモ ドコモ5G通信環境の構築、電波伝搬特性の測定・分析
    愛媛大学
    • 事業全般の管理・統括
    • 海洋物理学・水産学研究の観点から、
      洋上でのIoT機器によるデータ集積に対する地点、方法、対象データに関する知見提供
      • 遊魚三次元位置測定装置の構成設計と製作
      • 実証施設の利用提供(愛媛大学南予水産研究センター)
    愛媛県
    • 水産学研究の観点から、
      洋上でのIoT機器によるデータ集積に対する地点、方法、対象データに関する知見提供
    • 実証施設の利用提供(愛媛県農林水産研究所水産研究センター)
    電気興業 ローカル5G通信環境の構築、電波伝搬特性の測定・分析
  • 3.実証試験の模様

陸地にある研究センターを想定した実験場

実験用機器(モニター等)

洋上の生簀

生簀に設置された高画質カメラ

生簀内の映像

通信速度計測(実験場周辺)

通信速度計測(生簀)

通信速度計測(実験場)

5G仮設基地局
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