Magic Leapがゲームやコミュニケーションを変える

-空間コンピューティング技術が生み出す新たな体験

-空間コンピューティング技術が生み出す新たな体験

2019.10.04

仮想世界と現実世界とを融合することで新しい体験を生み出しているVRやAR、MR。「XR」と総称されるこれらの技術は、近年目覚ましい勢いで進化しており、私たちの生活にも少しずつ浸透してきている。そして、ここに「高速・大容量」「低遅延」「多接続」という特長を持つ5G技術が掛け合わさることで、XRの体験はより豊かなものとなるだろう。

2019年9月20日に5Gのプレサービスを開始したドコモは、5G時代の新たな価値の提供に向け、5Gスマートフォンをハブとして周辺のさまざまなデバイスやサービスにつなげる「マイネットワーク構想」を掲げている。その取組みの1つが、「XR市場創出に向けたMR体験の提供」だ。ドコモは、2019年4月に米Magic Leap社との資本・業務提携を発表。Magic Leap社に対して2.8億ドルを出資し、空間コンピューティングを利用したMR領域での日本国内におけるサービス創出を展開していく考えだ。ドコモがXR領域で描いている未来像とは、どのようなものなのだろうか。

INDEX目次

  1. 自分の部屋に"異世界"の敵が侵入!? 空間コンピューティングがもたらす新たな体験
  2. MR×5Gで、遠隔地にいる人が同じ空間に共存しているような感覚を

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1. 自分の部屋に"異世界"の敵が侵入!? 空間コンピューティングがもたらす新たな体験

MRは、Mixed Reality(複合現実)の略称で、実際に見えている現実世界の上に仮想世界をリンクさせるものだ。VR(Virtual Reality:仮想現実)が「ゴーグルなどを装着して仮想の世界に潜り込んで現実のような体験ができる技術」、AR(Augmented Reality:拡張現実)が「仮想世界の情報を加えてデバイスに表示し現実を拡張する技術」だとすれば、MRはその中間に位置しているといえる。

Magic Leap社のデバイス「Magic Leap One」は、コントローラーを手に持ち、プロセッサとバッテリーを内蔵した「ライトパック」を肩から掛けて、「ライトウェア」と呼ばれるゴーグル型のヘッドセットを装着した状態で利用する。周囲の音はそのまま聞こえ、目の前の空間に仮想世界の映像やデジタル情報がディスプレイに表示されるという点ではスマートグラスと同様だが、Magic Leap Oneには床や壁、家具などを認識する空間コンピューティング技術が搭載されているため、ゲームなどの好きなコンテンツを好きな部屋に持ち込んで、その空間ならではの体験を楽しむことができる。

Magic Leap Oneのコンテンツの一例として、「Dr.GRORDBORT'S Invaders」というアプリを紹介しよう。このアプリは、部屋の壁や天井、机の裏などから突如として現れる敵のロボットを打倒していくシューティングゲームだ。コントローラーで武器を操作して敵を攻撃するだけでなく、コントローラーを持っていない方の手をかざすと”シールド"が展開され、敵の攻撃を防御することができるほか、身体を移動させて敵を避けることもできる。部屋の壁に空いたトンネルからはロボットたちが暮らす仮想世界の景色が見え、また部屋の机の陰からロボットが走ってきたりする。自分の部屋という現実世界の中に仮想世界の3Dキャラクターが溶け込み、それらとのインタラクションを楽しむことができるという、かつてない体験に魅了される。

>>佐藤健さんによるMagic Leap One体験映像

Magic Leap Oneは、d garden五反田店をはじめとした一部のドコモショップに特設された5G体験コーナーに展示されている。ぜひ足を運んで、最先端の空間コンピューティング技術を体感してみてほしい。

>>ドコモショップで5G体験

2. MR×5Gで、遠隔地にいる人が同じ空間に共存しているような感覚を

空間コンピューティング技術を使ったMR領域は、ゲームだけでなく私たち人間同士のコミュニケーションをアップデートする可能性をも秘めている。Magic Leap社は2019年6月にベルギーのスタートアップ企業 Mimesys社を買収し、遠隔地にいる実際の人間の3D映像を眼の前の空間に立体的に再現するco-presence(共存感覚)ソリューションの開発を進めている。つまり、Magic Leap One上に通話相手の立体像が視覚化されるようなサービスの提供に向けた動きがあるということだ。遠隔地の人々とアバターを介してコミュニケーションを取ることができるアバターチャット機能はすでにあるが、これを拡張していく形で遠方にいる人々とまるで同じ時空間を共有しているかのように通話や会議を行うことができる世界をめざす。

こうした世界観を実現するのに欠かせないのが5G技術だ。遠隔地にいる複数の人間の複雑な動きや音声、表情を遅延なくリアルタイムでスムーズに伝え、まさに目の前に共存しているような感覚でコミュニケーションを取ることができるようにするためには、「高速・大容量」「低遅延」という5Gの技術を活かしていくことが必須となる。

ドコモとしては、5Gを活用して今回ご紹介したゲームやコミュニケーションといった屋内での体験をより充実したものにしていくことはもちろんだが、マイネットワーク構想を実現することで、屋外でもMRグラスを日常的に利用し、博物館での展示物がより魅力的に見えるような体験や、位置情報やその人の嗜好に合わせた3Dコンテンツが道や看板に表示されるようになる体験など、新しいMR活用の価値観を提案している。

MRをはじめとするXR技術の進歩によって現実世界に仮想世界があたりまえのように融合するようになることで、さまざまな分野で新たな体験と価値が生まれ、私たちの生活はより便利で豊かなものになっていくに違いない。

Photos: Tadayuki Umamura
Text: Hitomi Suto

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