移動時間が、旅の醍醐味になる。

-XR技術が景色の魅力を最大化!

2019.10.18

景色の移り変わりを車窓から眺めるのは、旅の醍醐味の1つだ。一方で、長距離を移動していると、疲れてしまったり、寝てしまったりすることもある。しかし、せっかくの旅で暇を持て余してしまうのは、もったいない。旅の移動時間をより楽しく充実したものにするため、ドコモはさまざまな外部パートナーとともに、5G時代を見据えた「新体感観光サービス」の開発を進めている。九州旅客鉄道株式会社(以下、JR九州)や株式会社JTB沖縄(以下、JTB沖縄)との実証実験を例に、最先端のテクノロジーによって大きく進化した観光の未来を少しだけ覗いてみよう。

INDEX目次

  1. さまざまなコンテンツで、鉄道やバスでの観光を余すことなく楽しむ
  2. 新体感観光サービスをさまざまなモビリティに展開

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1. さまざまなコンテンツで、鉄道やバスでの観光を余すことなく楽しむ

ドコモは、鉄道やバスなどのさまざまなモビリティにおける観光体験に新たな価値を提供すべく、「XR(AR、VR、MR)」×「位置情報による多様な観光コンテンツの配信」をキーワードに、そのときの風景や走行エリアに合わせた観光コンテンツがXR技術で車窓にリアルタイムに表示されるような世界を構想している。

XRなどの大容量の観光コンテンツを、高速移動しているモビリティに向けて届けるためには、5Gの「高速・大容量」「低遅延」という特徴が活きてくる。5G回線を活用し、最適なタイミングでその場所に合ったリッチなコンテンツを提供することで、高臨場な観光体験が創出できる。

JR九州との取組みでは、列車の窓にXRコンテンツを表示するサービス開発の第一歩として、肥薩線人吉駅~吉松駅区間を走行するD&S列車「いさぶろう・しんぺい」の車内において、列車の走行位置に応じた観光情報をタブレット端末上で提供する実証実験を2019年春に実施した。

実証実験では列車の乗客に対してタブレットを貸し出し、車窓から見える山の名前や標高といった情報を位置情報に応じてグラフィカルかつタイムリーに表示するなど、そのときの景色に応じたコンテンツを配信した。

また、列車内にいながら列車上空からのドローン空撮動画を視聴できるサービスも提供された。自分の乗車している列車が目的地に向かって走行する様子を、本来見ることができないアングルから雄大な景色とともに楽しむことができるという体験は、他では味わうことができないだろう。車窓からの景色にドローン空撮動画が合わさることで、その土地の魅力を列車内外から余すことなく存分に楽しむことができる。

また、記念乗車証にタブレット端末をかざすと「いさぶろう・しんぺい」の車体や車内の様子が3Dで見えるというARコンテンツは、子どもたちに非常に好評だったという。

さらに、2019/9/18に実施された5Gプレサービス発表会では、近隣観光スポットの360度パノラマ映像も見ることができた。当イベントでは事前に撮影した映像が表示されていたが、将来的に5Gネットワークの活用によってリアルタイムの映像が配信されるようになれば、向かっている場所の混雑具合を確認できるだけでなく、気になった観光スポットがあれば途中下車して立ち寄るといった機会も生まれるだろう。

2. 新体感観光サービスをさまざまなモビリティに展開

2019年10月からはJTB沖縄とともに、沖縄県北部のやんばる地域を周遊し同地域にのみ生息する希少な鳥「ヤンバルクイナ」を探すバスツアーにおいて、同サービスの一般提供を初めて開始する。

ツアーは、ヤンバルクイナが観察できるポイントが多くある森の中をバスで走行し、野生のヤンバルクイナを発見できれば車の中から観察するという内容だが、生息数が非常に少ないため必ずしも出会えるわけではない。ツアーの最後に保護施設でその姿を観察できる機会はあるが、やはり、森の中で野生のヤンバルクイナの姿をお目にかかれるのが理想だ。そこで、本ツアーでは、やんばるの森の中でタブレットをかざすことでヤンバルクイナの姿がARで再現されるようなコンテンツが提供される。

ツアーでは乗客の安全を確保するため、車から降りて森の中を探索することはできないが、360度パノラマ映像で森の中へ分け入っていく様子を見ることができるコンテンツも用意されている。

こうした実証実験を重ねていくことで、先端テクノロジーを活用したより良い観光体験を検討しているドコモ。9月20日からは5Gのプレサービスを開始した。5Gが本格的に普及すれば、新体験観光サービスは、鉄道やバスだけでなく、タクシーや徒歩といったさまざまな移動手段にまで展開されていくだろう。もちろん、そこに届く情報は2次元の画像や映像だけでなく、VRやARなどXR技術を活用したよりリッチで臨場感あふれるコンテンツだ。移動時間こそが、旅の一番の醍醐味。そうした価値観があたりまえになる時代が、すぐそこまでやってきている。

Photos: Tadayuki Umamura
Text: Hitomi Suto

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