“FOR GAME CHANGERS”

-ドコモが東京ゲームショウ2019で提案した、5G時代の新しいゲーム体験

2019.10.25

コンピュータゲームはテクノロジーの発展とともに進化してきた。近年では家庭用ゲーム機だけでなく、PCやスマートフォンでも本格的なゲームをプレイできるようになり、コンピュータ・ゲーム対戦をスポーツ競技として捉えるeスポーツも盛り上がりを見せている。そして今後、5Gの本格普及とともにゲームのあり方は大きく変わるかもしれない。

ドコモは2019年9月12〜15日に幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2019」において、5Gを活用した新しいゲームの世界観を提案した。ドコモブースでは、「PUBG MOBILE」の企業対抗戦をはじめ、「ストリートファイターV アーケードエディション」の国別対抗戦やAR観戦、「ウイニングイレブン 2019」のeJリーグ公認No.1プレイヤー決定戦など、人気ゲームの大会や一流のプロゲーマーのテクニックを間近で見ることができるゲーム観戦イベントが実施されていた。本稿では、12日のBUSINESS DAYの様子をレポートする。

INDEX目次

  1. ドコモが「東京ゲームショウ」に参戦した理由
  2. ARを活用したこれまでにないゲーム観戦スタイル
  3. 同一会場で一斉にスマートフォンゲームをするという楽しみ方
  4. 5Gでeスポーツ会場の設営が簡単に
  5. ゲームに関わるすべての人の世界が変わる未来

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1. ドコモが「東京ゲームショウ」に参戦した理由

今回、東京ゲームショウ2019の公式5G・通信スポンサーとして参戦したドコモ。9月20日には5Gのプレサービス開始を発表したが、5Gの用途やメリットについてまだあまりピンときていない一般消費者が多いのも事実だ。大々的に東京ゲームショウのブースを構えたのには、ゲームを通じて一般消費者にも5Gの可能性を感じてほしいという狙いがある。

通信環境の向上によって、ゲームは家庭用ゲーム機などハードウェアの中に閉じていた時代から大きく進歩した。今では、オンライン対戦ゲームなど、ネットワークにつないで楽しむことがあたりまえになっている。そして5Gは、この流れをさらに加速させるだけでなく、ゲーム体験の新たな価値観を生み出す可能性をもっている。

2. ARを活用したこれまでにないゲーム観戦スタイル

今回、ドコモブースの目玉コンテンツとして披露されたサービス「ARゲーム観戦」には、5G時代の新しいゲーム観戦スタイルの可能性が感じられる。当日は、日本初のプロゲーマー梅原大吾選手VS東大卒プロゲーマーときど選手の対戦がARで再現されていた。観客は、ARマーカーに5Gモバイル端末をかざすことで、プロ2人のストリートファイターⅤのプレイの様子を3Dで観ることができる。「高速・大容量」「低遅延」な5Gを活用することで、プロの細かいテクニックが反映された動きでもタイムラグが起こらず、スムーズに表示されていた。

今回のストリートファイターⅤのARゲーム観戦は、事前に収録した試合の映像処理を行い3D化し、そのデータをクラウド上で処理してスマートフォンに5G配信できるよう、大手ゲームメーカーであるカプコンとドコモが共同で開発を進めたという。

現状では、事前に収録したプレイ内容の再現という形になっているが、将来的にはリアルタイムで試合の様子をAR観戦できるようにしていくことが理想だろう。そして、同サービスが発展し、5Gが本格普及すれば、MRデバイス「Magic Leap One」などを使った新しいゲーム観戦スタイルも考えられる。プロがコントロールするキャラクター同士が対戦している様子を、皆が一斉にリアルタイムでMRゴーグルを通じて観戦を楽しんでいる、といった世界が実現するのもそう遠くはないかもしれない。

3. 同一会場で一斉にスマートフォンゲームをするという楽しみ方

5G活用の可能性を示した事例として、PUBG MOBILEの企業対抗戦の様子についても紹介したい。PUBG MOBILEは最大100人のプレイヤーが、最後の1人になるまで生き残りをかけてリアルタイムで多数のプレイヤーと戦うスマートフォン向けのバトルロイヤルゲーム。当日は、参加企業ごとに4人1組のチームを組み、各試合で最後の1組に勝ち残って「ドン勝」をめざすというルールのもと、約20の企業が対抗戦に参戦した。

プレイヤーにはそれぞれ5Gモバイル端末が提供されており、さらに一部のプレイヤーは会場の5G回線を利用してプレイした。
数十人〜数百人単位のユーザーが同時にプレイする、かつリアルタイム性が求められるスマートフォンゲームを1つの会場で一斉に行おうとすると、現行のLTEやWi-Fiでは不安定な場合がある。大人数が同時に遅延なく今回のような趣旨のゲームを楽しむ際には、「高速・大容量」「低遅延」「多接続」という5Gの特長が活きてくる。

4. 5Gでeスポーツ会場の設営が簡単に

ドコモのブースには「5G LAN PARTY」としてストリートファイターⅤ、鉄拳7、PUBGなどといった対戦ゲームの試遊ゾーンも設けられており、さまざまな参加者たちが5GによるネットワークとハイスペックなゲーミングPCを体験していた。

イベント会場にこうした環境を構築するには、従来であれば光回線が必要であったが、5Gデータ通信端末を利用することで、簡単に高速・低遅延の通信ネットワークを構築できるようになる。eスポーツが盛り上がり、さまざまな大会が開催されるようになっていく中、5Gはさらにその普及を加速させるテクノロジーとなりえるだろう。

5. ゲームに関わるすべての人の世界が変わる未来

今回紹介した5Gでのゲーム体験は、PCやスマートフォンなど、既存のデバイスでの利用が前提となっているが、今後はゲームメーカーなどの参入によって5Gが活きる特別なデバイスやそれに合わせたコンテンツが登場する可能性もあるだろう。5Gは、ゲームを作る人、プレイする人、観戦する人など、ゲームに関わるすべての人にメリットをもたらす技術といえる。プレサービスが始まり、目の前に迫った5G時代。これまでのゲーム体験を一変させるような、新しいゲームの未来が私たちを待っている。

Photos: Tadayuki Umamura
Text: Hitomi Suto

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