この人に聞きました!
菊池 隆裕
日経BP 総合研究所

5Gの活用で仕事と生活が
驚くほど便利&楽しくなる

INDEX目次

  1. 5Gはスマホ以外でも真価を発揮
  2. scene1.在宅ワークがよりスムーズに
    柔軟な働き方を後押し
  3. scene2.自宅にいながら共同作業
    VR空間で3Dデザインが可能に
  4. scene3.ダンスの遠隔授業を実現
    教育の地域間格差も解消
  5. 機械同士をつないで生み出す新たな価値
  6. scene4.宅配便の荷物が無人で届く
    5Gの普及でドローン配達が身近に
  7. scene5.スポーツ中継をマルチアングルで
    見たい角度を選んで視聴
  8. scene6.田舎の祖父母に
    子どもの元気な姿を見せる
  9. アイデア次第で膨らむ5Gの価値

スマートフォン(スマホ)などの通信をさらに高性能にする技術として、「5G(第5世代移動通信システム)」という言葉をよく耳にするようになりました。一方、何が良くなるのか、ピンとこないという人も多いのではないでしょうか。実は、5Gで便利になるのは、スマホだけではありません。私たちの仕事や生活を、より効率的で柔軟なものに変える大きな可能性を秘めています。5Gの具体的な利用シーンを挙げて、5Gが開くこれからの生活を紹介します。

5Gはスマホ以外でも真価を発揮

5Gへの進化によってスマホは、より便利に、ストレスなく利用できるものになります。「高速大容量といった特長を活かして、動画よりもはるかに大容量のコンテンツや、低遅延を活かしたタイムラグを感じさせないコミュニケーションを利用した新たなアプリケーションが続々と登場することでしょう。また、スマホ以外でも、多数接続を活用して、『IoT(Internet of Things:モノのインターネット)に関連した応用開拓の加速が期待されます」と日経BP 総合研究所の菊池隆裕氏は言います。ここからは、5Gで期待されている具体的な応用を紹介いたします。

scene1.
在宅ワークがよりスムーズに
柔軟な働き方を後押し

 近年の働き方改革の推進により、多くの企業が業務効率の向上を目指すようになりました。その一つとして、自宅にいながら仕事をする在宅ワークを導入する企業が増えています。「これまで在宅ワークでの作業は、一人でできるデスクワークや簡単なテレビ会議に限定されていました。これが5Gを活用すれば、これまで以上に臨場感がある、リアルなやり取りができるようになります」(菊池氏)。

scene2
自宅にいながら共同作業
VR空間で3Dデザインが可能に

 近年、異業種企業が協力してアイデアを出し合い、画期的な製品やビジネスを共同開発するオープンイノベーションに注目が集まっています。
 既に、コンピューター上の3Dモデルで商品のデザインや開発をするのが当たり前になっていますが、ここに5Gを活用すれば、効果的なオープンイノベーションを行うことができるようになります。開発に参加するエンジニアやデザイナーが3Dモデルを共有し、自宅にいながら距離や会社の壁を越えて、円滑に意思疎通をしながら共同開発できるようになるからです。

scene3
ダンスの遠隔授業を実現
教育の地域間格差も解消

 2012年から、中学校でのダンス教育が必修化されました。ダンスの指導では、指導者の手本に合わせて生徒が動き、生徒の動きを指導者はキメ細かくチェックすることが欠かせません。しかし、どうしてもこうしたダンスの指導ができる指導者は都市部に偏りがちです。
 高解像度の映像を低遅延で送ることができる5Gを活用すれば、都市部にいる指導者が、遠隔地にいる生徒に一体感のある指導ができる遠隔授業が実現します。指導者のダンスを、生徒が360°好きな角度から見て、動作を立体的に体感し、学びをさらに深めることもできます。

機械同士をつないで生み出す新たな価値

 5Gは、離れた場所にいる人同士をつなぐだけではなく、人と機械、さらには機械と機械を、より密接につなぐことにも利用できます。「数多くの端末と同時に接続可能な特長を活かせば、あらゆる場所にデータ収集装置を配置し、そこから集めた膨大なデータを人工知能(AI)で解析して、価値ある情報を得られるようになります」(菊池氏)。

scene4
宅配便の荷物が無人で届く
5Gの普及でドローン配達が身近に

 無人で荷物を運んでくれるドローン配達は、離島や過疎地など買い物が難しい地域に住む人たちに向けての実用化を目指しています。
 しかし、普及が広がれば私たちが普段利用しているインターネット通販などの荷物も、ドローンが配達するようになるかもしれません。そうなれば配達時間を気にすることなく、ネットショッピングをより気軽に楽しめるようになります。

scene5
スポーツ中継をマルチアングルで
見たい角度を選んで視聴

 5Gを活用して、スポーツ観戦の新たな楽しみ方が出てきそうです。スタジアムでの試合の様子を、スタジアム外のどこでもストレスなく中継で楽しめるのはもちろん、スタジアムの様々な場所にカメラを配置し、試合の様子をあらゆる角度から同時に撮影。撮影した高精細な映像データを、5Gを活用してマルチアングルで観戦できるようになります。
 視聴者が見たい角度から観戦が可能なので、例えば好きな選手のシュートシーンや表情までも、自宅にいながらリアルタイムかつ精細に楽しむことができます。

scene6
田舎の祖父母に
子どもの元気な姿を見せる

 多くの人が持つスマホで撮影した映像を、5Gを通じてクラウド上に集めれば、他の人の視点からの映像を見ることもできます。
 例えば、運動会の映像を、その場で遠方に住む祖父母に送るといった利用法が可能です。これまでは、長尺の映像を扱うためにはハードディスクやDVDなどに記録して、編集・再生・共有する必要がありました。5Gを活用すれば、孫の元気な姿をすぐに送って見せることができます。 これからはコミュニケーションも写真ではなく、動画が主流になっていくでしょう。

アイデア次第で膨らむ5Gの価値

 5Gは、その特長を活用して新たなサービスや利用法を生み出す、企業やユーザーのアイデア次第で価値が高まる技術です。スマホで動画データをダウンロードする時間が短くなることだけで満足していてはもったいないと言えます。5Gを活用して、仕事や生活を便利にする方法を考えてみませんか。

本コンテンツは「日経DUAL Special」から
日経BPの許諾により転載したものです