今後の災害対策の取り組みについて
<2003年8月25日>
NTTドコモ及びNTTドコモグループ8社は、大規模災害時の被災地での通信の混乱を緩和し、一般利用者の方々がご家族や友人、知人等の安否を確認できる災害時に限定した音声通話以外の通信手段の新たなサービス「iモード災害用伝言板サービス」を年明けより開始いたします。
また、その他の災害対策の取り組みとして「音声通話とメール等のパケット通信のネットワークコントロールを独立させて別々にコントロールする仕組み」及び「災害用音声トーキーガイダンス」の導入を順次開始いたします。
現在、NTTドコモグループ全体で4,400万人以上の方々が携帯電話を利用されており、今や携帯電話は人々の生活に欠かせない情報インフラとなっています。このため、地震等の大規模災害の発生時には、災害復旧活動にあたる行政や防災機関等に加えて、多くの一般利用者の方々が被災地への安否確認等に携帯電話を利用されることが予想されます。
NTTドコモではこれまでも指定公共機関として「通信システムの信頼性の向上」「重要通信の確保」「通信サービスの早期復旧」等、災害に強い通信ネットワークの構築を図るとともに、ネットワークの安全性と信頼性の向上に努めてまいりました。
地震などの大規模災害の発生時には全国から被災地への安否確認、お見舞い電話、問い合わせ等の膨大な数の電話が被災地に集中しますが、携帯電話は通話ごとに一回線を確保する仕組みであり有限な電波を利用する仕組みであることから、被災地での携帯電話の通信が爆発的に増大するとネットワークの処理能力が著しく低下し、携帯電話が極めて繋がりにくい状態、いわゆる「輻輳(ふくそう)」が生じます。これを回避するため、ネットワークが処理能力の限界を越える前に一般利用者の方々の通信量をコントロールします。また、一方で、行政、警察や消防等の各種防災機関の災害復旧活動に必要な重要な通信を優先的に確保する仕組みを導入しています。
NTTドコモは今後とも災害に対する取り組みを強化してまいりますが、一般利用者の方々には、災害時の被災地への不急な通信のご利用をお控えいただくとともに、ネットワークの維持を目的に実施する通信量のコントロールにつきましてもご理解、ご協力をいただきますよう、お願いを申しあげます。特に日頃から携帯電話以外の通信手段を用いた、非常時の待ち合わせ場所の確認や安否確認の方法等についてご検討をされることをお奨めいたします。
なお、新サービスの詳細は以下の通りです。
注 「iモード」はNTTドコモの登録商標です。
1. iモード災害用伝言板サービスの提供
- サービス詳細
震度6弱以上の地震等の災害が発生した場合、「iMenu」内に「iモード災害用伝言板」をご提供いたします。iモードサービスをご利用されているお客様が、災害時にiモードサービスを使ってご自分の安否状態等を「iモード災害用伝言板」にご登録していただく ことで、ご家族の方々等はご登録いただいたお客様の状況等を確認することができます。また、ご登録いただいた安否状態等は、iモードサービスやインターネットを使って、全世界から参照することが可能です。
- 1電話番号あたりのメッセージ登録可能件数:10件程度
- 登録可能なメッセージ文字数:全角100文字程度
- メッセージの保存時間:ご登録から最大72時間程度
- ご利用料金
無料(別途通信料は発生いたします)
- サービス提供開始時期
2004年1月(予定)
- iモード災害用伝言板サービスのイメージ図
2. 音声通話とパケット通信の独立したネットワークコントロール
- 機能詳細
現在、音声通話とiモードメール等のパケット通信については、基地局において同時に通信制限をコントロールする仕組みとなっているものを、通信量に応じ別々に通信制限のコントロールを行う仕組みに変更することにより、それぞれの通信状態に合わせた柔軟なネットワークコントロールを実施いたします。音声通話の通信量が高く、パケット通信の通信量が低い場合は、音声通話の通信制限は行っても、パケット通信の通信制限は行いません。
- 機能提供開始時期
2004年4月(予定)
- 音声通話とパケット通信の独立したネットワークコントロールの機能イメージ図
3. 災害用音声トーキーガイダンス
- 機能詳細
災害時において輻輳が発生した場合、お客様からの通話に対して、「iモード災害用伝言板」サービスやNTT東日本株式会社、NTT西日本株式会社が提供している「NTT災害用伝言ダイヤル(171)」のご利用を呼びかけるガイダンスを挿入し、被災地へのお見舞い電話等による音声通話の集中をできる限り回避したいと考えています。
- 機能提供開始時期
2004年4月(予定)
- 災害用音声トーキーガイダンスの機能イメージ図
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