移動無線伝送〜8.無線パケット通信
パケット交換によるデータ通信は、情報をパケットとよばれるブロックに分割して、それぞれのパケットに宛先や制御情報などのヘッダをつけて送受信する通信方式です。
複数のユーザーが共通のチャネルに相乗りして通信を行うことができるので、チャネル使用効率が高く、コストを低く抑えることができます。
NTTドコモのデータ通信専用のサービス「ドゥーパ」はこのパケット交換の原理を無線区間にも応用して、LANやインターネットプロバイダとの接続を可能にするサービスです。
移動パケット通信システムはデジタル携帯・自動車電話システムであるPDCシステムにパケット通信機能を付加・統合したネットワーク構成をしているのでコスト・パフォーマンスの高いシステムの実現が可能です。
PDCシステムでは、無線伝送方式として3チャネルTDMA方式を採用していますが、パケットチャネルはこれをベースとして構成しており、複数の移動機が、ランダムアクセスによってチャネルを共有する共通アクセス型のパケットチャネルとなっています。ランダムアクセス制御にはPDCシステムの制御チャネルで実績のあるICMA-PE方式を採用しています。
また、通信速度を高速化するために、3チャネルを同時に使用するマルチスロット伝送を可能としており、3チャネル(スロット)を同時に使用する場合の通信速度は最大28.8kbpsとなります。
無線パケット通信のネットワーク構成
1999年3月作成
2004年3月更新