携帯電話の快適な利用を目指した電池パック・充電器の開発〜2.移動端末の電源・電池パックの位置づけ
移動端末の電源系の構成を図1に示す[1]。電池パックを充電する場合、商用電力は、ACアダプタを介して、移動端末へ入力される。その電力は、電池パックの充電回路を介して、電池パックに入力される。
移動端末の電源・電池に求められる項目を表1に示す。ACアダプタは、2004年以前では移動端末の製造メーカごとに充電仕様や電池パック仕様が異なっており、移動端末ごとにACアダプタを用意していた。しかし、ユーザの利便性や重複開発の抑制の観点から、2004年以降の移動端末(FOMA端末)では充電仕様を統一し、ACアダプタを共通化した。
表1 移動端末の電源・電池に求められる項目 | ||||
対象 | 移動端末機能 | 常時通信 | 信頼性 | 社会性・環境 |
充電器 | 省電力(省エネ) ユニバーサル |
準速充電 どこでも充電 |
長寿命 安全性 |
共通化 リサイクル |
電池パック | 小型、軽量 高容量 |
長時間駆動 | 高信頼 高安全 |
低環境物質 リサイクル |
移動端末内 電源回路 |
小型 高効率 |
— | 低発熱 信頼性 |
— |
電池パックに関しては、高エネルギー密度が特長であるリチウムイオン電池を移動端末に適用し、小型・軽量・高容量化に大きく貢献した。この電池は、移動端末の充電・通話・待受けなどの動作パターンによる寿命特性や、電池パックの異常使用時の安全性などの評価技術が重要になる。
本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.16 No.2に、掲載されています。