地域からのお知らせ(北海道)

NEXCO東日本とNTTドコモ、「5G」を活用した高速道路事業高度化の実証実験を開始
E5道央道輪厚PAを5Gエリア化し、除雪車の遠隔操作技術等の開発をめざす~

2021年2月4日
東日本高速道路株式会社北海道支社
株式会社NTTドコモ北海道支社

東日本高速道路株式会社北海道支社(札幌市厚別区:以下、NEXCO東日本)と株式会社NTTドコモ北海道支社(札幌市中央区:以下、ドコモ)は、E5道央自動車道輪厚パーキングエリア(以下、輪厚PA)において、第5世代移動通信方式(以下、5G)を活用した高速道路事業の高度化に関する取り組みを2021年2月8日(月曜)より開始します。
本実証実験では輪厚PAの駐車場を5Gエリア化し、5Gの特徴を活かした高速道路事業の高度化、効率化、省力化等に繋がる下記技術の基礎検証を行う予定です。今後、基礎検証を踏まえ課題を抽出・解決し、2021年度以降の実用化をめざします。

(輪厚PAのぼり)(輪厚PA下り)(図)(輪厚PAのぼり)(輪厚PA下り)(図)

1.5Gを活用した除雪車両の遠隔操作技術(輪厚PA下り)
降雪等の条件下において、これまで主に周辺に支障物が無い建設現場や災害復旧等で使われてきた建設重機の遠隔操作技術を、5Gの高速・大容量かつ低遅延の通信を活用することで、より精緻な制御操作が必要となる除雪作業でも可能とする検証を実施します。
具体的には、除雪車両および車両周辺の安全を確認できる場所に高精細カメラ(Full HD 1920×1080)等を設置し、複数の高精細画像データを5Gを用い、非常に少ない遅延で伝送できることで、操作者が即時に状況を把握し操縦指示を車両に伝えることが可能となることから、周辺に人や物があっても安全かつ正確な車両操作ができるかを検証します。

1.5Gを活用した除雪車両の遠隔操作技術(輪厚PA下り)(図)1.5Gを活用した除雪車両の遠隔操作技術(輪厚PA下り)(図)

2.5GとAI技術を活用した駐車場利用車両のリアルタイム把握技術(輪厚PA上り)
駐車場全域を4台の高精細カメラ(Full HD)で撮影し、その画像を5Gの高速・大容量通信を用いることで4台同時に画像処理サーバへ伝送し、4K画質相当の高精細画像として統合します。その高精細画像からAI技術を用い、利用車両の軌跡や駐車台数等の駐車場利用実態を解析することで、ほぼリアルタイムに駐車場の利用状況を把握することを検証するとともに、更に解析を重ね利用車両の軌跡等を把握できる技術を検証します。

今後、この他にも、高速道路事業の5G活用技術として、スマートICにおける複数台カメラ画像を活用した遠隔監視業務の高度化や、スマートグラスによる設備点検時の遠隔作業指示の効率化等の可能性についても検討を行っていく予定です。
両社は今後も通信技術の更なる活用と最新技術への積極的な取り組みを推進し、高速道路事業の高度化に一層協力して取り組んでまいります。

<別紙>実証実験概要

1.実証実験内容

(1)5Gを活用した除雪車両の遠隔操作技術
除雪車両に設置された双腕双脚の人型ロボットを、オペレーターはコックピット型コントローラより遠隔操作することで、除雪車両の遠隔操縦を行います。この遠隔操作指示のデータ伝送に5Gを用いることに合わせ、オペレーターの操作判断に必要な除雪車両から見える映像と、車両周辺状況映像を高精細Full HDカメラ等にて撮影し5Gにて伝送します。
本実証実験では、2月8日(月曜)に実験車両を現地へ搬入し、1週間程度をかけて複数台の高精細カメラ画像の伝送技術と車両操作通信の確実性等の検証を行います。本実証実験の結果を踏まえ、有効性が確認できれば、2021年度以降に専用車両の開発検討を進めてまいります。また、除雪作業の効率化・省力化等の検証に合わせ、将来的には同一オペレーターが複数拠点の除雪作業を遠隔で行う等、新たな働き方のモデルづくりも2021年度以降の専用車両開発の進捗に合わせて検討していきたいと考えています。

<システム構成イメージ>

(1)5Gを活用した除雪車両の遠隔操作技術(図)(1)5Gを活用した除雪車両の遠隔操作技術(図)

(2)5GとAI技術を活用した駐車場利用車両のリアルタイム把握技術
駐車場全域を、照明柱に設置した4台の高解像度カメラ(Full HD 1920×1080)に分割して撮影し、5Gを用いてその画像データを同時に伝送し、画像処理により一つの4K画質相当の画像に統合後、AI技術を用いてまとめて解析します。
これまではデータ伝送の制限等から、複数画像毎に個別処理を行い車両有無の解析結果のみを伝送したり、駐車ます白線等を活用し部分的な駐車場範囲を解析する等の工夫をしていましたが、駐車場全域を隈なく4K高精細画像で解析できることで、解析精度の大幅な向上や大型貨物車とバス等の詳細な車種判別が可能となります。
また、ほぼリアルタイムに画像解析できることで、スマートICの入出場状況も反映させながら駐車場に存在する車種、車両台数、駐車時間等の利用車両の挙動を、効率的かつ遅延なくデータ化し集計できます。また更に解析を重ねることで車両位置の把握も可能となります。これにより、これまで人手で行っていた駐車場利用車両数等の調査作業の自動化をめざします。

<システム構成イメージ>

(2)5GとAI技術を活用した駐車場利用車両のリアルタイム把握技術(図)(2)5GとAI技術を活用した駐車場利用車両のリアルタイム把握技術(図)

2.実証実験の場所

E5道央道 輪厚PA上り(苫小牧方面):駐車場部およびスマートIC部
E5道央道 輪厚PA下り(札幌方面):ヘリポート部

3.実証実験の期間

2021年2月8日(月曜)~2021年3月末日(予定)

4.各社の役割

会社名 役割
NEXCO東日本 実証実験フィールドの提供、除雪車システム構築、画像解析システム設計・運用
NTTドコモ 5Gエリアの構築、画像データ伝送及び画像解析システム構築

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