地域からのお知らせ(関西)

総合保守サービス支援システム「HORIBA(ホリバ) MEDISIDE(メディサイド) LINKAGE(リンケージ)」の提供開始
IoTを活用して装置のダウンタイムを削減、医療サービスの質向上に貢献
小型自動血球計数CRP1測定装置2では世界初3

2016年8月26日

株式会社堀場製作所
株式会社NTTドコモ関西支社
フクダ電子株式会社

株式会社堀場製作所(本社:京都市南区、代表取締役会長兼社長:堀場厚、以下、堀場製作所)は、医療用機器向けの総合保守サービス支援システム「HORIBA MEDISIDE LINKAGE」の提供を開始します。堀場製作所の小型自動血球計数CRP測定装置「Microsemi LC-767CRP」と株式会社NTTドコモ(本社:東京都、代表取締役社長:吉澤和弘、以下、ドコモ)が提供する通信ネットワークサービスを使用し、クラウドサーバーを経由して装置の稼働状況を管理。メンテナンス時期等の情報を集中監視し、故障等による装置のダウンタイム削減に貢献します。
本システムは、10月よりフクダ電子株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長 白井 大治郎、以下、フクダ)の新メンテナンスプログラムとして提供を開始。2020年には本システムを使った検査装置の稼働台数6,000台をめざします。
先端の医療現場で常に万全のサービスを受けられる体制整備を推進し、医療サービスの質向上に貢献します。

本システム導入の背景

医療用検体検査機器市場においては、大病院や検査センターなど大型の検査装置を一拠点で多数使用される環境では、専用通信回線等を使用し、機器の稼働状況を遠隔モニタリングするシステムが普及していますが、開業医等の小型の検査装置市場ではその導入が遅れていました。昨今、モバイルネットワークの通信データ量の増加と広域化、低価格化により、開業医など小規模クリニックが中心ユーザーである小型の検査装置市場においても普及が現実的なものとなってまいりました。
日本においては、医療費削減の流れの中で、かかりつけ医を増やすなどより患者に近い診療所レベルでの様々な検査需要の拡大が進んでいます。また、グローバル市場においては、特にこれから小型装置の市場拡大が予想される新興国市場において、モバイルネットワーク環境の整備が加速的に進んでいます。

HORIBA MEDISIDE LINKAGEについて

本サービスは、堀場製作所の小型自動血球計数CRP測定装置「Microsemi LC-767CRP」を、データ保護視点等からも高い安全性を誇り、接続も安定したドコモのモバイルネットワークを使って監視するシステムです。このシステムにより、装置の稼働情報やメンテナンス時期等を遠隔で常時モニタリングすることが可能になります。従来の保守契約による定期点検(予防保全)だけではカバーできなかった装置の不具合を、事前に予測して発見・対応する予知保全により、装置の計画的管理が可能になります。
本システムで取得したデータは、日本システムウエア株式会社(以下、NSW)が運営するIoTクラウドプラットフォーム「Toami4」上で提供されるアプリケーションと連携します。Toamiにより装置の様々なデータを可視化することで機器制御やデータ分析などが可能となります。
装置の稼働データはドコモが提供する通信ネットワークサービス「docomo M2Mプラットフォーム5」を使って堀場製作所のクラウドサーバーに蓄積します。閉域網での安全性・信頼性の高いセキュアなモバイルネットワークを活用し、お客様が安心して装置をご使用いただける環境を実現します。
本システムを使用したメンテナンスサービスは、小型自動血球計数CRP測定装置「Microsemi LC-767CRP」の国内販売を行なうフクダが、新たに保守契約プログラムに組み込み提供します。

【HORIBA MEDISIDE LINKAGE システム全体像】

HORIBA MEDISIDE LINKAGE システム全体像

狙い、今後の展開

本システムは、8月27日から始まる日本外来小児科学会6(高松市)で発表し、10月からの販売開始を予定しています。今後、堀場製作所から発売する新製品には順次本システムを採用予定で、2020年には国内6,000ヵ所の施設でのシステム導入をめざします。また、各国における販売許可取得後には、グローバルでのサービス提供を行う予定です。堀場製作所が2020年を目標年度とした中長期経営計画で掲げる、医用事業のグローバル売上高目標である400億円の達成に向けて、今後も事業基盤を強化します。
ドコモとしては、パートナーとともに新たな価値を協創する「+d」の取り組みを推進しており、安心・安全なモバイルネットワークや「docomo M2Mプラットフォーム」を通じ医療IoTを活用した効率的な医療サービスの実現に貢献します。

【補足説明】

  1. CRP(C-Reactive Protein / C反応性たんぱく):
    体内に急性の炎症や組織の損傷があるときに、血清中に増えるたんぱく質の一種で代表的な炎症マーカー。組織や細胞の炎症を早く鋭敏に反応し、その度合いを知ることができる。また、病態の改善の際には速やかに減少するので、病態の診断、予後の診断、治療効果の観察に役立つ。
  2. 小型自動血球計数CRP測定装置「Microsemi LC-767CRP」:
    当社は、1998年に世界初の白血球などの血球成分を測定する血球計数と、炎症の指標となるCRP濃度を同時測定する製品を、感染症の判別の指標を検査する装置として診療所や小児病院向けに発売。乳幼児など症状を伝えられない患者の診察や肺炎など高齢者が重症化する可能性がある病状の早期発見、薬の処方の判断などに活用されています。2015年2月に発売した「Microsemi LC-767CRP」は、装置内部構造の見直しや部品点数の削減により設置面積を当社従来比18%縮小し、世界最小・最軽量を実現しました(2015年発売時点、堀場製作所調べ)。衛生面・安全面が重視される診断室の省スペース化やレイアウト変更の省力化ができ、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の改善にもつながります。
  3. 世界初:
    小型血球計数CRP測定装置において、IoTを使ったリモートモニタリングシステムは世界初(2016年8月24日現在、堀場製作所調べ)
  4. IoTクラウドプラットフォーム「Toami」:
    日本システムウエア株式会社(http://www.nsw.co.jp)が提供するIoTクラウドプラットフォーム。
  5. docomo M2Mプラットフォーム:
    各種機器等に組み込んだ通信モジュールのドコモ回線(国際ローミング中の回線含む)および海外通信事業者の回線の一元管理を可能にするプラットフォーム。
  6. 日本外来小児科学会:
    http://www.gairai-shounika.jp/

関連リンク

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