国際ローミングSUPLによるFOMA位置情報機能の開発—現在地確認機能—〜3.アシストデータ導出方式

移動端末のGPS測位成功率は、移動端末がGPS演算する際に利用する概略位置情報の精度などが影響するが、国際ローミングによるSUPL測位では、海外事業者ネットワークによる精度の高い位置情報を取得することが困難であるため、国内のような精度の高い概略位置情報を利用することは難しい。そのため、より精度の高い概略位置情報を導出する機能をドコモのネットワーク装置に具備することで、移動端末で用いる概略位置情報の精度を高め、GPS測位成功率向上を実現している。SLPは、次に示す概略位置情報導出方法を利用して、ユーザ利用条件に最適な概位置情報を移動端末にアシストデータとして配信する。

(1)他事業者ネットワークへの問合せによる導出(セルベース測位)

ドコモが提供しているiエリアでは、通信中の基地局単位の位置情報を取得可能である(セルベース測位)。iエリアは一部の海外事業者ネットワークに在圏している場合でも利用可能である。したがって、iエリアを提携可能な海外事業者において、iエリアにおける位置情報取得基盤を使用することで、移動端末が在圏する基地局レベルでの概略位置情報が導出可能である。

(2)GPS測位成功結果を用いた概略位置情報導出

SLPは、SUPLを使用してGPS測位に成功した結果(緯度経度情報)を、その際のSUPL測位要求情報とともに蓄積する。SUPL測位要求において蓄積された要求と合致した場合には、蓄積された概略位置情報を移動端末のアシストデータとして使用する。

(3)在圏SGSN情報による導出

ユーザが在圏するSGSN(Serving GPRS Support Node)注意1に対応した位置情報を利用することで、概略位置情報を導出する。

在圏するSGSNから地域を推定することが可能な場合には、後述の在圏する海外事業者情報(以下、在圏事業者情報)による概略位置情報導出よりも精度のより高い概略位置情報が導出可能である。

(4)在圏事業者情報による導出

SUPL通信接続要求において、移動端末はローミングアウト利用者の在圏事業者情報をSLPに対して送信する。在圏事業者情報に含まれる、在圏する国を示すMCC(Mobile Country Code)および事業者を示すMNC(Mobile Network Code)から、対応する概略位置情報を導出する。

  • 注意1 SGSN:3GPP上で規定されているパケット通信機能を有する論理ノード。

本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.17 No.2に、掲載されています。

このページのトップへ