携帯電話の快適な利用を目指した電池パック・充電器の開発〜4.充電器の機能向上
従来、移動端末のACアダプタの待機電力1は、移動端末の総電力の4分の3を占めていた。この対策としてACアダプタの待機電力の削減の取組みを行った。低待機電力型ACアダプタの試作例を図8に、制御波形を図9に示す。動作原理としては、図8の負荷検出端子を利用して、移動端末側の端子が接続されたことを検知して、電源充電制御ICを間欠発信から連続発信に変化させる。この効果により、ACアダプタを使用していない間欠発信期間の消費電力を低減することができ、間欠発信制御の導入により約4分の1の省電力化を実現している(図10)。移動端末の商用ACアダプタの1日の消費電力例を図11に示す。同技術などの電源技術の導入により、10年前と比較して約10分の1の低消費電力化を実現している。
一方、移動端末のACアダプタの共通化に関しては、電気的仕様(電圧、電流)を統合した。共通仕様を図12に示す。ACアダプタ側の出力電圧・出力電流の電気特性を規定し、その電気特性に整合するように移動端末の本体側の充電回路の電気特性を規定している。
本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.16 No.2に、掲載されています。