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FOMAコアネットワークパケット処理ノードxGSNの開発〜4.xGSN開発上の工夫とポイント

4.2 基本呼の信号手順の見直し

xGSNは開発期間を短縮し、開発費を削減するために極力既存機能の流用を図ったが、網構成の変化に伴う基本呼処理手順の見直しも多々あった。見直しにあたり、既存網構成への影響を抑えつつ、効率的かつ処理時間の短縮化、低負荷な方式の実現を目指した。今回見直した代表的な信号手順を以下に示す。

(1)パケット発信・着信

Iuの無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)からSGSNまでの接続については、LMMS経由でATM-SVC(Asynchronous Transfer Mode-Switched Virtual Channel)をIP多重して、接続する方式を採用した。これは、既存システムの処理能力への影響、他ノードを含んだトータルの開発規模、既存設備流用による設備投資費用の削減などを考慮して決定した。LMMSにてIuパケットルーティング機能を持つことでRNC-LMMS間はATM-SVC によるコネクション管理、LMMS-xGSN間はIPアドレスを使用したルーティングを実現している。これは、現在の設備流用を考慮した結果の形態であるが、Iu区間については将来的にはIP化されることが期待されている。

(2)回線交換着信

回線交換着信時、該当加入者による統合位置登録が行われMSC/VLR-SGSN間の連携がとれている状態であれば、3GPP標準動作に従いGsインタフェースを使用してSGSNからPaging を行う。LMMSから着信要求を受けたSGSNは、無線側にPagingを実施する際に該当加入者のパケット呼の状態を確認し、パケット通信中の場合は一意のRNCのみに着信を実施する。非通信中の場合はLMMSから受信した着信要求に設定されたLAに含まれるすべてのRNCにPagingを行う。

(3)ショートメッセージ発信・着信

パケット交換によるショートメッセージ(SMS:Short Message Service)は、SGSNにて移動端末への転送およびメッセージサービス蓄積装置(MPS:Message Processing System)への転送を行うことになるが、SMS転送はSGSN-LMMS間はGsインタフェースとしてのATMを利用し、LMMS〜GMMS〜TMMS(IWMSC(Inter Working Mobile Switching Center)またはGMSC(Gateway Mobile Switching Center))の間は、既存のATMルートに重畳させてSMSを転送する。

本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.12 No.3に、掲載されています。