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第3世代の移動通信システムを支えるW-CDMA技術〜6.SIRベースの適応送信電力制御

全てのユーザが同一周波数の搬送波を使用するCDMA方式では、基地局からの距離にかかわらず携帯機が同じ送信電力で電波を出すと、近い方からの電波が強すぎて、遠い方の携帯機からの信号を分離できなくなるという問題が発生します。

これを遠近問題といいます。この問題を解決するために各携帯機が送信電力を必要最小限に抑える適応送信電力制御が不可欠となります。適応送信電力制御は、干渉電力量を低く抑えるためにも有効であり結果としてシステムの加入者容量の増大をもたらします。

W-CDMA方式では、適応送信電力制御を信号電力対干渉電力比すなわちSIR測定値をベースにしています。基地局で逆拡散した信号をRAKE合成したうえでSIRを測定し、測定値が目標値より大きい場合は移動機に送信電力を下げるコマンドを送信します。逆のケースでは、送信電力を上げるコマンドを送信します。これを受信した移動機は、コマンドにしたがって送信電力を制御することになります。この動作を0.625msに1回という高速で実現することで、フェージングにより発生する受信レベルの変動を送信側の電力制御によりなくすことができ、送信電力も最小にすることが可能になります。

瞬時変動に追従する送信電力制御の解説図

注意1999年3月作成